Book cover
ブックカバー
- 箔押し・ホットスタンプ・エンボス加工の美箔ワタナベ-トップ
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- ブレーン 2018年2月号
ブレーン 2018年2月号
部分的に半透明な事で意図的に表紙が見えるブックカバー「すやり霞」
- オフセット印刷1色
- 加熱押込み
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ご依頼
TAKUBO DESIGN STUDIO、グラフィックデザイナー田久保 彬 さんによるデザイン。
使用した用紙は「パチカ」加熱型押しした部分が半透明になるのが特徴のファインペーパー。
以前よりブックカバーをしてなんの本かわからなくなってしまう事に悩みをもっていたとの事でした。
そういう問題を解決するために全部覆い隠すカバーばかりではなく、少しだけ中身がみえるカバーがあっても面白いのでは、というプランが以前からお持ちだったようです。 -
美箔ワタナベのご提案
抜き加工で窓をつくってみるという案もありましたが、冊子に綴じ込む事やカバーとしての耐久性の問題から、手触りも新鮮で心地よいパチカでという事になり、注意点などを過去の経験よりお伝えして試作に進行させていただきました。それは、ベタ面はムラなく半透明にする事は難しい事、面積や製品の場所によって用紙のうねりなどが出やすくなる、また独特の柔らかさのため通常のファインペーパーより耐久性が低いなどでした。(パチカ自体の紙は打ち合わせ初期段階より田久保さん本人も興味を持たれていたようです。)
田久保さんはそういったリスクよりも他の用紙にはないメリットを大切に考えのようでした。
圧の入れ具合や加熱の温度等は調節により微妙な結果になるため、本生産時にはスタート時に立会いをしていただき、リスク部分も確認しながらの進行で何段階かの圧力と加熱温度の組み合わせを提示させていただき、実際にその場で文庫に巻いてみることなどをしての本生産スタートになりました。
出来上がりとしては、狙っていたチラリズムはもちろんの事、絵巻物や大和絵にある雲のようなグラフィックが紙を押し込んで出来た立体感と共に存在感がより一段とマッチしたカバーになったと思います。カバーにして使用している触感やどの本か本人でしかわからない実用性も、パチカと特殊加工が効果をうまく発揮できた結果になったと感じております。