書籍・雑誌などへの箔押し・エンボス加工は美箔ワタナベへ

ブレーン 2017年6月号

壁に白ペンキがいくつも流れるような奥行き感があるブックジャケット

• オフセット印刷1色（白2度刷り）
• 箔押し（白版2版）加工

• ご依頼

  AYONDのグラフィックデザイナー 佐々木 俊さんによるデザイン。
  ジェラードGAというクルミの殻をイメージしたエンボスペーパーが、佐々木さんのイメージとして、建物やフェンスの壁に似た印象を持ったそうです。
  
  そこにペンキが流れる動的印象や用紙が持つ質感に対比する加工で面白い表現ができないかと構想されていたようです。
  
  この用紙のT-EOSシリーズは豊富なカラーバリエーションがあるので、箔が持つインクには無い隠蔽性を説明、打ち合わせさせていただきました。

• 美箔ワタナベのご提案

  ラフデザインをもとに打ち合わせさせていただき、重なり的なイメージであればオフセット印刷の弱点でもある透明性と箔種では隠蔽性の弱い白箔を組み合わせてさらに積層させてという案に方向が進みました。
  
  特に白箔が2層になる部分はかなり用紙の色と関係性が濃厚になるので、何種かの用紙での試作をご提案させていただきました。
  
  また、通常のブックカバーはあまり用紙厚みがあると使用感に支障がありますが、今回のグラフィックや奥行き感を優先して
  
  より厚い用紙をご提案しました。結果としてオフセット印刷のインク面と箔押し部分がそれぞれ違う風合いに変化が生まれたと思います。
  
  重なりが何種もあり、佐々木さんが考える表1から表4の時間経過の表現にも積層とそれぞれの量感がバランス良くなったブックジャケットになったと感じています。